「謹啓」と「拝啓」の違い
「謹啓(きんけい)」と「拝啓(はいけい)」は、手紙やメールなどの文書でよく見られる敬称表現であり、いずれも書き手が受け手に敬意を示していることを示します。それぞれの言葉は似ているように見えますが、微妙に異なるニュアンスを持っています。
「謹啓」は、自己の考えや意見を慎んで述べる、または自身の行動を慎むという意味を持つ「謹む」から派生しています。これは一般的に、正式な場合やビジネスの文脈など、自己の意見を慎重に、また敬意を持って伝える必要がある場合に使われます。
一方、「拝啓」は、相手を尊敬し、その存在を尊ぶという意味の「拝む」から派生しています。この言葉は一般的に、個人的な手紙や感情的なメッセージでよく使われ、深い敬意や感謝の意を示します。
しかし、現代の日本の文書では「謹啓」と「拝啓」はほぼ同義語として使われていることが多く、特に厳格な区別はないと言えます。どちらを使用するかは主に書き手の個人的な選択、または特定の文化的な、社会的な規範に依存します。
それぞれの意味
「謹啓」の意味
「謹啓」は敬称表現の一つで、手紙やビジネス文書などの開始部分で使われます。この表現は相手への尊敬や敬意を示し、書き手の意志や感情が慎重で礼儀正しいことを伝えます。
「謹啓」の語源は「謹んで啓上する」で、直訳すると「慎重に伝える」または「敬意を持って伝える」を意味します。特に正式な場面やビジネスの文脈では、「謹啓」が一般的に使用されます。
この言葉は自己の意見や行動を慎むという「謹む」から派生しています。「謹啓」を使用することで、伝えたいメッセージを丁寧に、そして尊敬の念を持って伝えていることを示すことができます。
したがって、使用することで、相手への敬意を示し、かつ相手との関係を大切にする意志を示すことができます。
「拝啓」の意味
「拝啓」も敬称表現の一つで、主に手紙や電子メールなどの書き手から受け手への敬意を表すために使用されます。これは通常、文書の冒頭で見られ、その後には通常時期や季節に関連する挨拶が続きます。
「拝啓」は「敬意を表して話す」という意味を持ち、「拝む」(尊敬や崇拝する)と「啓す」(説明する、明らかにする)の二つの動詞から派生しています。これは、書き手が受け手に対して敬意を表しながら、何かを伝えたいという意志を表しています。
個人的な手紙や感情的なメッセージでよく使われ、深い敬意や感謝の意を示すために使用されます。それはまた、書き手が受け手を尊敬し、その人物またはその地位を高く評価していることを示します。
「謹啓」と「拝啓」の使い方・使用例
「謹啓」の使用例
- 謹啓、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 謹啓、新春の候、皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じ上げます。
- 謹啓、初夏の候、皆様方のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
- 謹啓、秋深き候、ますますご隆昌のこととお喜び申し上げます。
- 謹啓、寒冷の候、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
「拝啓」の使用例
- 拝啓、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
- 拝啓、冬季の候、皆様におかれましてはご健勝のことと存じます。
- 拝啓、お元気にお過ごしのこととお喜び申し上げます。
- 拝啓、早春の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓、夏至の候、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
「謹啓」と「拝啓」に似た言葉
- 敬具(けいぐ):手紙の結びの言葉で、敬意を表して相手に感謝を伝える表現。
- 拝寿(はいじゅ):長寿を祝う際の敬語。拝啓と同じ「拝」の字が使われ、敬意を示す表現です。
- 謹慎(きんしん):謹んで慎むという意味で、行いを慎む、反省するなどの意味があります。敬意の言葉として使われることは少ないですが、「謹」の字が共通して使われる表現です。
「謹啓」と「拝啓」の違いに関するみんなのツイート
拝啓と謹啓の違いで本命チョコをどんなに丁重に扱ってるかを出してくるなんてズルすぎる…
伊庭さん流石すぎて— さくら (@ceresia1043) February 14, 2017
拝啓と謹啓の違いがよくわからんかった。拝啓は平常で使えて、謹啓はあらたまって時候の挨拶をするときに使えばいいのね。
— 古✺都✺吹!!! (@ko1obuki) July 10, 2012
拝啓と謹啓、敬具と敬白の違い
ご健勝、ご清祥、時下の意味。
今年21にもなる私、知りませんでした。ほんとまだまだ大人の1%にもなれてませんな(´・ω・`)— 🍙白米🍙 (@pipi_98mtek) March 30, 2017