「介護」と「介助」の違い
「介護」と「介助」は、福祉や医療の分野で頻繁に使用される用語ですが、それぞれに特異な意味と適用範囲があります。
介護は、身体的または精神的な障害により日常生活に支障をきたしている人々に対して、日常生活を送る上で必要な支援やケアを提供することを指します。介護の範囲は広く、食事、排泄、入浴、移動、着替え、寝返りなどの生活全般をカバーし、さらにレクリエーション活動や心のケアなども含みます。介護はプロの介護者が行う場合もありますが、家族が行う場合もあります。
一方、介助はより具体的な行動を指します。これは通常、身体的に困難を経験している人々が特定の行動をとるための直接的な支援を意味します。例えば、椅子からベッドへの移動、階段の昇降、食事の準備や摂取などです。介助は主に身体機能に制限のある人々が必要とします。
総じて、介護は広範で総合的なケアを意味し、介助はより具体的な行動の支援を意味します。両者は似ていますが、その適用範囲と重視する観点が異なります。
それぞれの意味
「介護」の意味
「介護」という言葉は、年老いて身体機能が衰えたり、障害や病気などで自立した生活が難しい人々が、日常生活を送るために必要な支援を総称する言葉です。
介護の主な目的は、利用者が自分自身の健康状態に応じて、可能な限り自立した生活を続けられるように支援することです。この支援は、医療的なケア(医療行為の補助、健康状態の監視など)だけでなく、日常生活のサポート(食事の準備や摂取、排泄の補助、移動の支援、入浴や清潔な衣服を身につけることなど)も含みます。
また、介護は精神的な側面も含みます。孤独感や孤立、不安、ストレス、うつなど、精神的な健康問題に対するケアも重要な役割を果たします。
介護は広い範囲の活動を含むため、それぞれの利用者の個別のニーズに合わせてカスタマイズされ、適応されます。また、介護は、プロの介護者によって提供される場合もあれば、家族や友人などの非専門家によって提供される場合もあります。
さらに、介護には予防的な側面もあります。これには、例えば、健康を維持し、機能低下を遅らせるための適切な運動や栄養の確保、安全な生活環境の整備などが含まれます。
これらすべての側面を通じて、介護は利用者の生活の質を維持し、向上させることを目指します。
「介助」の意味
「介助」は、他人が自分自身の身体的な動きを自由に制御できない場合に、その人を支援する行動を指します。具体的には、移動の支援、立ち上がりや座る動作の支援、食事の手助け、排泄の補助、着替えの援助など、日常生活の中で必要な具体的な行動の支援が含まれます。
介助は主に身体的な制限がある人々、たとえば高齢者や身体障害者、または一時的なけがや手術の回復期にある人々に対して行われます。介助は専門的なスキルや知識を必要とする場合があり、利用者が安全に活動を行えるようにすることが重要です。
具体的な介助の例としては以下のようなものがあります:
- 移動介助:車椅子からベッドへの移動、トイレへの移動、階段の昇降など。
- 食事介助:食事の準備、食事の摂取の援助など。
- 排泄介助:トイレへの移動支援、排泄のための体勢の支援、オムツの交換など。
- 着替え介助:服の着脱の援助、衣服の選択など。
専門的な介助者は、利用者の健康状態や身体能力を理解し、それに基づいて適切な介助を提供する能力が求められます。そして介助は、人々が日常生活を可能な限り自立して過ごすことを支援する役割を果たします。
「介護」と「介助」の使い方・使用例
「介護」の使用例
- お母さんは最近、祖父の介護に多くの時間を費やしています。
- 私は将来、介護の専門家になりたいと思っています。
- 政府は介護サービスの改善と拡大に努めています。
- 多くの家庭では、子供たちが親の介護を担っています。
- 高齢化社会に対応するためには、より多くの介護施設と介護スタッフが必要です。
「介助」の使用例
- 彼女は自身の高齢の母親への食事介助を毎日行っています。
- 病院では看護師が患者の移動介助を行います。
- 肩を怪我した彼は、一時的に身の回りの介助が必要になりました。
- 訪問介護員は、お客様の日常生活の介助を行います。
- リハビリテーション中は、医療スタッフが患者に適切な介助を提供します。
「介護」と「介助」に似た言葉
- 看護(かんご):医療の一環としてのケア。病気やケガの人々に対して、医療専門家と連携して行う身体的なケアや健康管理。
- 支援(しえん):一般的な援助やバックアップ。特定の目標に向かって助けを提供することで、精神的、物理的、経済的な側面がある。
- ケア:他者の健康や福祉に対する配慮やサポート。感情的な支援から身体的な援助まで広く包括する概念。
「介護」と「介助」の違いに関するみんなのツイート
『介護』と『介助』の違い意識してますか?
言葉の意味を理解・認識することで、私たち介護職に求められている役割が見えてくるんではないでしょうか。
介助は介護を行うためのひとつの手段なんですよね(*´ω`*)#ケアマネ #紡ぐ会 #おおさか支部— 進絵美(株式会社進スタジオ)(ケアマネジャーを紡ぐ会) (@eminami200074) September 12, 2021
【介護と介助の違い】
✓「介助」
・目先のことだけを解決すること
・介護を実現するための手段
✓「介護」
・その人の生活をよくすること
・自立支援— ろきりと@特養施設ケアマネ (@rokirit) July 22, 2021
「介護」と「介助」について考えされられた良い出会いだった。
「介入して命を護る」のを求めているのではなく、「介入して助ける」ことを求めてて、あくまでサポートというのが素敵。
お互い平等な人間だし、自分自身に責任を持って生きている。
勿論、技術導入の学びも多し。#PRESENT22
— 楠富 智太 / VIE STYLE, Inc. (@tomokusutomi) December 22, 2019
来月の研修
介護と介助
その業務化について介護と介助の違いとそれらが業務化している事について問題提示をしたいらしいですが、何故 業務化してしまうのか?
を先に考えてほしいです。
社員に問題提示する前にせめて業務化しない人員を確保してほしい!— luna-angel (@lu58n62a) July 29, 2020