「棄却」と「却下」の違い
「棄却」と「却下」はともに拒絶や否定を表す言葉ですが、使用される文脈や意味合いに若干の違いがあります。
「棄却」は、提案や要求などが形式的に不適切または基準を満たさないために拒否されることを指します。特に、法律やビジネスの文脈でよく使われます。例えば、法廷で証拠が不適切であると判断された場合、その証拠は「棄却」されます。
また、査読のプロセスで論文が形式的な問題や基本的な科学的な問題のために拒否された場合も「棄却」と言います。
「却下」これは、要求や主張が具体的に評価され、その内容に基づいて拒否されることを指します。たとえば、提案が却下されるとは、その提案が検討され、特定の理由により拒否されたことを意味します。
裁判の文脈では、主張や訴えが裁判官によって認められない場合、「却下」されると言います。
要約すると、「棄却」は形式や基準を満たさないための拒否を、「却下」は内容を評価した上での拒否を表します。これらの言葉は一部で交換可能に使用される場合もありますが、それぞれ特定のニュアンスを持っています。
それぞれの意味
「棄却」の意味
「棄却」という言葉は、主に法律やビジネスの文脈で使用され、ある申請、要求、または提案が形式的または基準的な理由から拒否されることを指します。
以下、いくつか具体的な文脈での使用例を挙げます:
- 法律の文脈:裁判所では、法的な手続きや証拠が適切に準拠していない場合、それを「棄却」することがあります。例えば、証拠が適切な手段で収集されていない場合や、訴えが形式的な規則を遵守していない場合、裁判所はそれらを棄却します。
- 学術の文脈:研究論文の査読プロセスでは、「棄却」は論文が形式的な基準を満たしていない、または基本的な科学的な基準を満たしていないと判断された場合に使用されます。例えば、論文が特定の形式を遵守していない、あるいは研究の設計や実施が不適切であると判断された場合、査読者は論文を「棄却」することがあります。
- ビジネスの文脈:ビジネスの提案や申請が、企業のガイドラインやポリシー、またはビジネス的な基準を満たさないと判断された場合、それらは「棄却」されることがあります。例えば、ビジネスプランが企業の戦略と一致しない、またはリスクが高すぎると判断された場合、その提案は棄却される可能性があります。
このように、「棄却」は形式的、基準的、または手続き上の理由から要求や提案が拒否されることを意味します。
「却下」の意味
「却下」という言葉は、提案、要求、または主張が評価され、その内容に基づいて拒否されることを指します。その使用は主に法律やビジネスの文脈に見られますが、一般的な会話でも用いられます。
以下、具体的な文脈における使用例を挙げます:
- 法律:裁判所では、「却下」は特定の主張や訴えが評価され、その内容に基づいて拒否されることを指します。たとえば、訴訟が事実や法律の基礎がないと判断された場合、裁判所はその訴訟を「却下」することがあります。
- ビジネス:ビジネスでは、「却下」は提案や要求が評価され、その内容に基づいて拒否されることを意味します。例えば、ビジネスの提案が検討され、それが採算性がない、または実行可能性が低いと判断された場合、その提案は「却下」される可能性があります。
- 一般的な会話:日常の会話でも、「却下」は提案や要求が考慮され、その内容に基づいて拒否されることを示します。たとえば、ある人が友人に週末の計画を提案し、それが具体的な理由(既存の予定がある、興味がない等)で拒否された場合、「却下された」と表現することができます。
このように、「却下」は内容を評価した上での拒否を表す言葉であり、提案や要求の価値や妥当性に基づく判断を含むことが特徴的です。
「棄却」と「却下」の使い方・使用例
「棄却」の使用例
- 裁判所は、不適切に取得された証拠を「棄却」した。
- 研究者の提出した論文は、査読過程で形式的な問題があると判断され「棄却」された。
- 会社の経営層は、形式的に不適切な提案を「棄却」した。
- 出版社は、マニュスクリプトの形式がガイドラインに準拠していなかったため、その提出を「棄却」した。
- ビザ申請が、必要な書類が揃っていなかったため「棄却」された。
「却下」の使用例
- 裁判所は、根拠が不十分だと判断された訴訟を「却下」した。
- 経営陣は、リターンが見込めない投資提案を「却下」した。
- 上司は、スケジュールが非現実的だと判断したため、部下のプロジェクト計画を「却下」した。
- 政府は、予算不足を理由に新しい公共事業の提案を「却下」した。
- 友人は、体調がすぐれないという理由で週末のパーティーの誘いを「却下」した。
「棄却」と「却下」に似た言葉
- 否決(ひけつ):提案や要求、計画などを認めないこと。特に、議会での法案の採決などで反対多数で拒絶されることを指します。
- 退ける(しりぞける):何かを拒絶し、受け入れないこと。要求や提案などを受け付けず、取り合わない様子を指します。
- 無効(むこう):法的に効力を持たないこと。特に、契約や法令などが一定の条件下で効力を持たない状態を指します。
「棄却」と「却下」の違いに関するみんなのツイート
行政法の条文では「却下」と「棄却」という単語が頻繁に出てきてよく引っかけも問題ありますよね🥺
違いを理解すると迷わなくなるかと思います!却下→要件を満たさないなどで門前払い。審理もされない
棄却→「棄てる」という事は一度は拾われてる=審理した上で請求を退けられてる参考になれば🫶
— maki🌸行政書士🏵×探偵🕵️♀️ (@xxxxx_girl) September 3, 2022
請求棄却と訴えの却下の違いがわかったー😍
条文も見れるから助かる! pic.twitter.com/EMyjJ0nK2b— panpan (@panda_Z1234567) February 23, 2022
「棄却する」と「却下する」この違いで絶対引っ掛けてくるからもう次は間違えないようにしよ。 pic.twitter.com/JzMr2xIUJN
— あゆはま (@candy_leau) March 4, 2022
ここで再確認だ‼️
「棄却」と「却下」の違いについて
①棄却
訴えを審理した上で請求を退けること。②却下
審理する価値なし。論外。門前払い。
おととい来やがれ。#反コロコロコロ講座 https://t.co/NN320scBIG pic.twitter.com/UBw0W2a0Z1— 怒りのアビガン🤬🤬🤬 (@C5H4FN3O2) July 9, 2021