「話す」と「語る」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します! | コトノハ辞典

「話す」と「語る」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します!

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「話す」と「語る」の違い

「話す」と「語る」は、どちらも言葉を用いて何かを伝える行為を指しますが、そのニュアンスや用いられる場面には明確な違いがあります。普段私たちは無意識に使い分けていますが、改めてその違いを意識すると、言葉の奥深さに気づかされます。

まず「話す」は、日常的なコミュニケーションの中で用いられる、もっとも一般的な表現です。会話をする、情報を伝える、意思を伝達する、といった場面で使われ、「口から言葉を出す」というシンプルな動作に焦点が当たっています。例えば友人と天気について話す、仕事の進捗について話す、といったように、内容の重さや深さは問われません。単純に音声で言葉を交わすことが「話す」の基本です。

一方で「語る」は、話す内容に重みや物語性、感情のこもり方が求められる表現です。何かの経験をもとに思いを込めて語る、夢や理想を語る、歴史を語り継ぐ、というように、単なる情報伝達ではなく、相手に何かを伝え残したい、心に響かせたいという意図が含まれています。「語る」という言葉には、語り手の主観や価値観、時には使命感さえも滲むことが多く、聞き手に与える印象も「話す」とは一線を画します。

つまり、「話す」は日常の軽いやり取りから公式なスピーチまで幅広く使われる一方で、「語る」は内容や話し手の姿勢に物語性や深さがある場面で選ばれやすいのです。この違いを理解することで、私たちは状況や伝えたい思いに応じて、より的確な言葉を選ぶことができるようになります。

それぞれの意味

「話す」の意味

「話す」という言葉は、音声を用いて言葉を発する行為を指します。人と人がコミュニケーションを取る際の基本的な行為であり、単に言葉を発するだけでなく、相手に伝わることを前提とした活動です。

この「話す」には、意識的であれ無意識的であれ、言葉を介して情報や気持ちをやり取りするという側面があります。会話、説明、報告など、形式や内容を問わず、広く使われる言葉です。

話す内容は具体的なものから抽象的なものまで幅広く、またその重要性や深さも特に限定されません。

「語る」の意味

「語る」という言葉には、話し手が主体的に意味や価値を込めて伝えるという性質があります。

「語る」は、物事の背景や思い、信念を含めて、聞き手に伝わるように言葉を紡ぐ行為です。ただ単に出来事を説明するのではなく、話し手の視点や解釈、感情が反映されるのが特徴です。

物語や経験、考えといった内容を、相手に届けようとする意識が強く働きます。

「話す」と「語る」の使い方・使用例

「話す」の使用例

  • 友達と昨日見た映画について話す。
  • 上司に仕事の進捗を話す。
  • 電話で家族と近況を話す。
  • 授業中に先生がわかりやすく話す。
  • 面接で自分の経験を話す。

「語る」の使用例

  • 作家が自身の創作の裏側を語る。
  • 祖父が戦争体験を語る。
  • 講演会で夢やビジョンを語る。
  • ドキュメンタリーで被災者が当時の思いを語る。
  • 友人が自分の将来の目標を熱く語る。

「話す」と「語る」に似た言葉

  • しゃべる:主に口語で使われる言葉で、軽い内容やおしゃべりを指すことが多い。話す内容の重要性は問わず、自由に言葉を発することに重点が置かれる。
  • 伝える:情報や気持ち、考えを相手に届けること。話す手段は問わず、言葉だけでなく行動や表情を通じても用いられる。
  • 語り合う:互いに自分の思いや考えを述べ合うこと。単に話をするだけでなく、心の内を分かち合うニュアンスが含まれる。
  • 述べる:主に文章や公式な場面で、自分の意見や考えをはっきりと表現すること。個人的な感情というより、理路整然と説明する印象が強い。
  • 告げる:相手に対して何かを知らせる、通知するという意味。特に重要なことや公式な知らせに使われることが多い。
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