「贖う」と「償う」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します！

言葉
2023.08.17

「贖う」と「償う」の違い

「贖う（あがなう）」と「償う（つぐなう）」は、いずれも誤った行為や欠点を補うための行動を表す言葉ですが、そのニュアンスには違いがあります。

「贖う」は主に罪や過ちを補うために、その責任を全うする行為を指します。よく「罪を贖う」という形で使われます。宗教的な文脈では、罪を贖うための犠牲や捧げ物という意味合いもあります。一般的には、何かを得るために必要な代価や、罪を許されるために必要な行為や代償を意味します。

「償う」は、間違いや損失を補うために行われる行為を指します。具体的には、損失を補うために賠償する、または過去の失敗に対して何らかの行動を行って謝罪することを意味します。また、ある行動の結果として生じた損失やデメリットを補償することも含みます。「借金を償う」、「損害を償う」のように使われます。

両者の大きな違いは、前者が「罪」に対する補償行為であるのに対して、後者が一般的な「間違い」または「損失」に対する補償行為であるということです。つまり、「贖う」は罪や過ちに特化した補償行為を指し、一方「償う」は広範で一般的な補償行為を指します。

それぞれの意味

「贖う」の意味

「贖う」は、罪や過ち、誤りを正すために行う行動を指す言葉です。その具体的な行動は多様で、罪や過ちの大きさ、その影響、そしてどのようにして罪が犯されたかなどの要素によって異なります。

贖うの本来の意味は宗教的な文脈からきており、罪を償うための犠牲や奉納を意味します。たとえば、キリスト教ではイエス・キリストが人類の罪を「贖う」ために自身を犠牲にしたとされています。このような文脈では、「贖う」は罪から解放されるための行為や、神聖な力によって罪が消し去られることを指すことが多いです。

しかし、一般的な会話や文学、映画などの文脈では、贖うは罪や過ちに対して責任を取るための行為を指すことが多いです。これは罪を認め、それに対して償う行動をとることで、過去の過ちから逃げずに向き合うことを意味します。例えば、「彼は過去の罪を贖うためにボランティア活動をしている」のように使用されます。

このように、贖うは具体的な行動や状況によって意味が変わる言葉で、罪や過ちを認め、それに対する責任を果たす行為全般を指すことができます。

「償う」の意味

「償う」は、過ちや損失を補うために行う行動や行為を指します。それは過去の誤りに対して行われる謝罪の行為であったり、損失を補うための具体的な行動であったりします。

償うは通常、何らかの損害や不利益が発生した後に、その結果を修正または補うための努力を指します。それは物質的な損害の場合（例：「損害を償う」）もありますし、感情的、社会的な損害の場合（例：「過ちを償う」、「失敗を償う」）もあります。

償うは間違いや損失を正すための全般的な行為を指し、それは罪を「贖う」というより広範で一般的な補償行為を意味します。「償う」の行動は、誤りに対する責任を果たすこと、その結果を改善または修正すること、そして不利益を減らすための行動を含むことがあります。

それゆえ、償うは過ちや損失を補うために必要な行動や努力全般を指す多義的な語と言えます。

「贖う」と「償う」の使い方・使用例

「贖う」の使用例

  • 彼は自身の罪を贖うために、社会奉仕活動に尽力した。
  • 彼女は過去の過ちを贖うために、地域の環境保護活動に参加した。
  • 彼は自分の行った詐欺の罪を贖うために、被害者に全額返金した。
  • 彼は昔犯した過ちを贖うために、仕事に精を出している。
  • 彼女は過去に傷つけた友人の心を贖うために、長年の間に培った友情を尊重し続けた。

「償う」の使用例

  • 彼は自分の過ちを償うために、謝罪の手紙を書いた。
  • 彼女は起こした事故の損害を償うために、保険金を支払った。
  • 彼は借金を償うために、毎月一定の金額を返済している。
  • 彼女は過去の失敗を償うために、一生懸命勉強している。
  • 彼は彼女に対する言葉の暴力を償うために、心からの謝罪をした。

「贖う」と「償う」に似た言葉

  • 埋め合わせる（うめあわせる）: 欠損や過失などを補うために、何らかの対応を行うこと。
  • 報いる（むくいる）: 良い行いに対して感謝の意を示す、または悪い行いに対して罰を与えること。
  • 清算する（せいさんする）: 金銭的な問題を解決するために、正確に計算して支払うこと。あるいは、過去の問題や関係を整理すること。
  • 補う（おぎなう）: 不足や欠点を何らかの方法で補完すること。

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