「乳飲料」と「牛乳」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します! | コトノハ辞典

「乳飲料」と「牛乳」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します!

牛乳-イメージ画像 飲料
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「乳飲料」と「牛乳」の違い

「乳飲料」と「牛乳」は、いずれもスーパーの冷蔵棚で並んで販売されており、見た目も似ていることから、日常的にその違いを意識する機会は少ないかもしれません。しかし、この二つは食品表示上の分類や成分内容、製造方法において明確な違いがあります。

まず、「牛乳」とは、乳牛から搾った生乳を加熱殺菌しただけのものを指し、乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)により、厳密な成分基準と製法が定められています。成分無調整であることが原則で、水や他の原料を加えてはいけません。つまり、「牛乳」と表示されている製品は、100%生乳が原料であり、その品質と栄養価は自然のままに近い状態が保たれていることを意味します。

一方、「乳飲料」は、同じく生乳や牛乳を主成分としつつ、そこにビタミンやカルシウム、果汁、砂糖、コーヒーなどのさまざまな成分を加えて加工された飲み物です。「飲料」と名のつくとおり、栄養補助や嗜好性、飲みやすさを意図して調整されており、製品によっては牛乳よりも濃厚だったり、逆にさっぱりとした味わいになっていたりします。中には、乳固形分の割合が牛乳よりも低いため、栄養面での価値は必ずしも同等とは限らないものもあります。

このように、「牛乳」は純粋な生乳を加工したシンプルな飲み物であり、「乳飲料」は牛乳をベースに様々な付加価値を加えた加工品です。どちらが優れているというよりも、それぞれの役割や目的が異なる飲み物だと言えるでしょう。選ぶ際には、成分表示や栄養成分、目的に応じた選択が求められます。

それぞれの意味

「乳飲料」の意味

「乳飲料」とは、生乳や牛乳、または乳製品を原材料としつつ、そこに他の食品成分を加えて製造された飲料を指します。厚生労働省が定める「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」によって、「乳飲料」という分類が設けられており、その中でも「乳固形分3.0%以上」のものに限ってこの名称が使用されます。

乳飲料には、カルシウムや鉄分などの栄養素を強化した栄養補助目的の製品や、フルーツ味やコーヒー風味など嗜好性を高めた製品が含まれます。つまり、単なる「ミルク」ではなく、「何かを加えて調整されたミルク系飲料」と言うのが実態に近いでしょう。

特に「加工乳」との違いが混同されやすいのですが、「加工乳」は乳成分だけを使って乳脂肪分や無脂乳固形分を調整した製品であるのに対し、「乳飲料」はそれに加えて乳成分以外の成分が含まれる点が大きな違いです。

製品表示では、以下のように分類されます。

  • 乳固形分3.0%以上で、乳脂肪分が区分によって異なる
  • 無脂乳固形分が8.0%以上であれば「成分調整乳」などと区別される
  • その他の成分(ビタミン、果汁、コーヒーなど)が加えられている

「牛乳」の意味

「牛乳」は、搾乳した生乳を加熱殺菌しただけのものを指し、他の成分を一切加えていない純粋な飲料です。これも乳等省令によって規格が定められており、製品として「牛乳」と表示するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。

主な定義としては以下のとおりです。

  • 原料は100%生乳であること(乳牛から搾ったミルク)
  • 殺菌以外の加工をしていないこと
  • 乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上であること

このように、「牛乳」は乳本来の栄養価と風味をそのまま保った飲み物として、調理や飲用など幅広い用途に使われています。食品表示でも、「成分無調整」と表記されていることが多く、いかなる添加物や補助成分も含まれていないことが明確にされています。

一見似たような容器に入っていたとしても、「乳飲料」と「牛乳」は法律上も明確に区別されており、その違いを理解しておくことは、正しい食品選びの第一歩となります。

「乳飲料」と「牛乳」の使い方・使用例

「乳飲料」の使用例

  • この乳飲料にはカルシウムが強化されているから、成長期の子どもにもおすすめです。
  • コーヒー味の乳飲料を買ってみたら、意外と飲みやすかった。
  • 乳飲料は甘くて飲みやすいので、朝食代わりにする人も多い。
  • 最近はプロテイン入りの乳飲料も人気がある。
  • この製品は乳飲料なので、牛乳よりも日持ちがすることがあります。

「牛乳」の使用例

  • 毎朝コップ一杯の牛乳を飲むのが習慣になっている。
  • レシピには「牛乳200ml」と書かれていたので、冷蔵庫から出して使った。
  • 給食に出てきた牛乳は、紙パックに入っていた。
  • 牛乳はそのまま飲むのはもちろん、シチューやホワイトソースにもよく使われる。
  • 健康のために低脂肪牛乳に切り替えてみた。

「乳飲料」と「牛乳」に似た言葉

  • 成分調整牛乳:生乳から乳脂肪分や無脂乳固形分の一部を取り除いた牛乳。栄養価やカロリーを調整した製品で、乳等省令により「牛乳」の一種とされる。
  • 低脂肪牛乳:乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下に調整した牛乳。脂肪を控えたい人向けの製品で、通常の牛乳よりさっぱりとした口当たり。
  • 無脂肪牛乳:乳脂肪分を0.5%未満に抑えた牛乳。ほとんど脂肪が含まれていないため、カロリーが低く、健康志向の消費者に選ばれている。
  • 加工乳:生乳や乳製品を原料に、乳脂肪分や無脂乳固形分を調整して作られた飲料。水やバター、脱脂粉乳などを加えて調整されるが、乳以外の成分は加えられていない。
  • 豆乳:大豆をすりつぶして加熱・濾過した植物性の飲料。乳製品ではないが、牛乳の代替として使われることが多く、見た目や使い方が似ているため混同されやすい。
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