「箇所」と「個所」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します! | コトノハ辞典

「箇所」と「個所」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します!

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「箇所」と「個所」の違い

日本語には、見た目も発音もほとんど同じでありながら、微妙に意味や使い方が異なる語が多く存在します。「箇所」と「個所」もそのひとつであり、多くの人が文章を書く際や言葉を選ぶ場面で、どちらを使うべきか迷う言葉です。どちらも「ある部分」や「場所」を意味する漢字表現ですが、それぞれの背景には微妙なニュアンスの違いがあります。

まず、「箇所」と「個所」は、日常的にほぼ同じ意味で用いられる場面も多いため、完全に使い分けなければならないわけではありません。しかし、正確な意味を知ったうえで使い分けることで、より適切で洗練された表現が可能になります。一般的には、「箇所」は文章や記述など抽象的な内容の中の特定の部分を示す時に多く使われる傾向があり、一方で「個所」は地理的な場所や構造物など、具体的・物理的な位置を指す際に用いられることが多いとされています。

例えば、報告書や論文で「問題のある箇所」と表現する場合、それは文章の中の一部を指していることが多く、抽象的な意味合いが含まれています。対して、「道路の破損した個所」と言えば、物理的に存在する道路の特定の地点を指しており、より具体的な場所をイメージさせます。

このように、「箇所」と「個所」は意味が重なり合う部分を持ちながらも、文脈や対象によって使い分けることで、読み手に対してより正確で明瞭な情報を伝えることができます。記事全体を通して、こうした違いや使い方のコツをわかりやすく解説していきます。

それぞれの意味

「箇所」の意味

「箇所」は、漢字の「箇」が数を数える助数詞であり、「所」は「ところ」を意味します。この組み合わせにより、「いくつかのうちの、特定の部分や項目」といったニュアンスを持つようになりました。特に、文章や内容の中の一部、または抽象的な構成要素を区切って示す際に使われることが多い表現です。

文脈によっては「項目」や「ポイント」といった意味合いで使われることもあり、物理的な位置というよりも、情報の区切りを意識した場面に適しています。また、書き言葉としての性質がやや強く、公的な文書やビジネス文書でよく見かける表現でもあります。

「個所」の意味

「個所」は、「個」が一般的な助数詞として使われている点が特徴です。通常、「個」は物の数を数えるときに用いられますが、それが「所(ところ)」と組み合わさることで、物理的な場所や具体的な地点を数える言葉になります。

したがって、「個所」は目に見える場所や実際に存在する空間的な位置を数える際に使われることが多くなります。建物、施設、道路、構造物など、形がある対象と結びつけて用いられるのが一般的です。

このように、「箇所」と「個所」は、どちらも「ところ」を意味しながらも、その前に付く漢字の違いによって、対象とする「場所」の性質が変化します。以下に、両者の違いを簡単に整理します。

  • 「箇所」…抽象的な部分や内容、情報の区切りに用いられる
  • 「個所」…具体的で物理的な場所や構造物に使われる

これらの違いを踏まえておくことで、適切な言葉を選ぶ力が養われ、より正確な表現が可能になります。

「箇所」と「個所」の使い方・使用例

「箇所」の使用例

  • レポートの修正が必要な箇所にマーカーを引いてください。
  • 説明に矛盾している箇所がいくつかあります。
  • この資料では重要な箇所を赤字で示しています。
  • 質問が多かった箇所を中心に、補足説明を加えました。
  • 以下の箇所について、再確認をお願いします。

「個所」の使用例

  • 道路の陥没が3個所で確認されました。
  • 建物のひび割れが複数個所に及んでいます。
  • 火災報知器を5個所に設置しました。
  • 事故現場は交差点から50メートル先の個所です。
  • 水漏れが発生している個所を早急に修理してください。

「箇所」と「個所」に似た言葉

  • 部分:全体を構成する中の一部を表す言葉で、物理的にも抽象的にも使えます。例えば「人体のある部分」や「話の重要な部分」など。
  • 地点:地理的な「位置」や「場所」を指します。GPSや地図上のポイント、集合場所などに使われることが多いです。
  • 箇条:文章や説明などを項目ごとに整理して示すときに使われる言葉で、「第一箇条」などのように使われます。主に文書内の整理・番号付けに使われます。
  • 場所:非常に広く使われる言葉で、「ある位置」や「空間」を指します。日常会話からビジネス文書まで幅広く使われます。
  • 区域:ある範囲として区切られたエリアを指し、行政区画や作業範囲などで使われることが多いです。
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