「駆け回る」と「駆け巡る」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します! | コトノハ辞典

「駆け回る」と「駆け巡る」の違い。それぞれの意味や使用例を解説します!

駆け回る 言葉
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「駆け回る」と「駆け巡る」の違い

「駆け回る」と「駆け巡る」は、いずれも「駆ける(走るように素早く移動する)」という動作を含む言葉ですが、その使われ方や意味のニュアンスには明確な違いがあります。

「駆け回る」は、ある範囲の中を何度も行き来したり、忙しくあちこち走り回ったりする様子を表す言葉です。動きの焦点は“範囲内での移動の多さ”や“慌ただしさ”にあり、実際に足を使って物理的に動いている印象が強くなります。たとえば、仕事や用事に追われて職場内を「駆け回る」といった場面などが典型的です。

一方、「駆け巡る」は、より広範囲を一気に、または次々と移動していく様子を表現する際に用いられます。この言葉は、物理的な動作だけでなく、感情や情報、思考などの“非物理的なもの”が心や頭の中を次々と通り過ぎるような意味でも使われるのが特徴です。たとえば、「不安が頭の中を駆け巡る」や、「世界中を駆け巡るニュース」といった使い方がされます。

つまり、「駆け回る」は“限定された空間での多動的な動き”を表し、「駆け巡る」は“広範囲を次々と移動する動き”や“心や情報の流れ”を含む抽象的な表現に使われるという違いがあります。両者は似たような動詞を用いながらも、用途や表現の幅において大きく異なるのです。

それぞれの意味

「駆け回る」の意味

「駆け回る」は、ある一定の範囲の中をせわしなく走り回ることを意味します。肉体的な移動が伴う表現であり、実際に人や動物が足を使って動き回る様子を描写する際によく使われます。何かに追われているような状況や、忙しさの中で次々と動き続ける姿が連想されます。

  • 一定の範囲内で何度も動き回ること
  • 実際に足を使って行動する動作に限定される
  • 慌ただしく動き続ける様子を強調

この言葉は、主に行動や労働、努力といった文脈で使用され、現実の動作としての「駆ける」を基盤にした言葉です。

「駆け巡る」の意味

「駆け巡る」は、広い範囲にわたって速やかに移動する、または、物理的な移動に限らず、感情や情報、思考などが一気に広がっていく様子を表す言葉です。実際の動作に加えて、抽象的・内面的な動きにも用いられるのが特徴です。

  • 広範囲をすばやく移動すること
  • 物理的な動作に加え、感情や情報の拡がりにも使われる
  • 次々と巡るような流れや連想を含む

この言葉は、ニュースや記憶、感情など、目に見えないものが瞬時に広がるイメージとともに使われ、比喩的な意味合いを強く含んでいます。

両者は「駆ける」という共通の要素を持ちながらも、その対象やスケール、表現領域において異なる意味を担っています。

「駆け回る」と「駆け巡る」の使い方・使用例

「駆け回る」の使用例

  • 彼は営業の仕事で毎日街中を駆け回っている。
  • 子どもたちが公園を元気に駆け回っていた。
  • イベントの準備でスタッフが会場内を駆け回っている。
  • 病気の家族のために、彼女は病院や役所を駆け回った。
  • 猫が部屋の中を楽しそうに駆け回っている。

「駆け巡る」の使用例

  • そのニュースは瞬く間にSNS上を駆け巡った。
  • 事故の知らせが彼の頭の中を駆け巡った。
  • 感動の記憶が心の中を駆け巡る。
  • 選挙期間中、候補者は全国を駆け巡った。
  • 不安と期待が同時に胸を駆け巡った。

「駆け回る」と「駆け巡る」に似た言葉

  • 走り回る:ある場所の中を繰り返し走り続けること。特に子どもや動物の活発な動きを表現する際によく使われる。
  • 飛び回る:空間を自由に、または忙しく移動する様子。実際に空を飛ぶ場合のほか、比喩的に多忙な行動を示すこともある。
  • 巡る:一定の順序や範囲に沿って回ること。場所、感情、時間などさまざまな対象に使われる抽象度の高い言葉。
  • 駆け抜ける:ある区間や時間を一気に走り抜けること。スピード感や一過性を伴う意味合いがある。
  • 飛び交う:複数のものが入り乱れて行き来する様子。情報や言葉、感情などが交錯する場面でよく使われる。
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